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日常生活であまり弁護士に相談するような機会はないかもしれません。しかし、法律相談が必要なタイミングはある日、突然訪れます。
交通事故や離婚問題、借金問題をはじめ、弁護士は法律に関する様々な悩みに対応してくれます。
法律トラブルに巻き込まれた際は、ぜひお気軽にご相談ください。
人が生活していくなかで、何のトラブルもなければ良いのですが、誰しも何らかの問題を抱えてしまうものです。そういうときに問題解決をサポートするのが、法律の専門家である弁護士です。問題を早期に、納得いくかたちで解決するためには、自分だけで抱え込まず、早い段階で弁護士に相談することが得策です。2016年3月31日の時点で我が国には37,680人の弁護士が存在しています。内訳を見ると、男性が30,784人、女性が6,896人となっています。女性の割合は18.3%ですから、まだまだ男性が多いという状態です。法律事務所の数を調べると、全国で16,422事務所となっていました。弁護士数、法律事務所数のベスト5を調査すると、以下の表のとおりでした。予想通り、東京都が断トツです。
弁護士会 | 弁護士数 | 法律事務所数 |
---|---|---|
東京(東京・第一東京・第二東京) | 17565 | 6037 |
大阪 | 4333 | 1841 |
愛知県 | 1857 | 920 |
神奈川県 | 1535 | 771 |
福岡県 | 1189 | 579 |
全国の法律問題を知るため、「平成27年度代理援助事件の事件別内訳(民事法律扶助)」を調べると、平成27年度だけで年間107,358件の事件が扱われていました。内容としては、以下の表のとおり、自己破産を含む多重債務事件の件数が最も多く、全体の半数を占めています。次に多いのは離婚等の家事事件、続いて金銭事件です。近年、過払い金請求を行う債務者も増えており、全国的に関心が高まっていますが、多重債務事件が多いということは、経済的な問題を抱えている人が多いということを表します。都道府県別では、人口数とも関係しますが、東京都が7,698件と最多で、次が大阪府の5,053件、3番目に多いのが北海道の4,024件となっています。北海道は人口数に於いては全国第8位ですから、比較的多重債務問題が多い地域ということになります。
分類 | 全国合計 |
---|---|
金銭事件 | 12677 |
不動産事件 | 2367 |
家事事件 | 34694 |
労働事件 | 2437 |
保全事件 | 1093 |
多重債務事件 | 51780 |
執行・競売 | 1252 |
ハーグ | 15 |
その他 | 1043 |
合計 | 107358 |
離婚に関する法律的な問題というのも、離婚を考えた人が抱える大きな問題です。法律家の力を借りずに、夫婦間の話し合いだけで離婚に至る「協議離婚」の件数が全国的に増えていますが、より良い条件で納得のいく離婚をするためには、弁護士のサポートを受けることも選択肢の1つです。厚生労働省が発表した平成27年度の人口動態統計によると、離婚率(人口千対)は1.81%でした。「都道府県別にみた年次別離婚率(人口千対)」によると、全国で最も離婚率が高いのは沖縄県(2.53)です。次が宮崎県(2.10)、3番目が北海道(2.09)となっています。
順位 | 都道府県 | 離婚率 |
---|---|---|
1 | 沖 縄 | 2.53 |
2 | 宮 崎 | 2.1 |
3 | 北海道 | 2.09 |
4 | 大 阪 | 2.08 |
5 | 福 岡 | 1.99 |
6 | 和歌山 | 1.97 |
7 | 鹿児島 | 1.88 |
8 | 高 知 | 1.87 |
9 | 熊 本 | 1.85 |
10 | 東 京 | 1.84 |
離婚を選択する理由は人それぞれですが、その傾向を知るため司法統計年報を見ると、妻側が離婚を選んだ理由の上位5位は以下の通りとなっていました。性格の不一致というのは、男女とも第1位の離婚理由ですが、女性の理由で目をひいたのが、第3位、第4位の離婚理由です。DVに関する事案は近年増加しており、関係機関も対策の強化に力を入れています。各都道府県の弁護士会においても、配偶者からの暴力に関する相談窓口を設けていますので、早めに相談しましょう。
順位 | 離婚理由 |
---|---|
1位 | 性格の不一致 |
2位 | 生活費を渡さないなど経済的な問題 |
3位 | 精神的な虐待、モラハラ |
4位 | 配偶者からの暴力 |
5位 | 浮気などの異性関係 |
我々が抱える法律に関わる問題の1つに交通事故もあります。加害者・被害者いずれの立場においても、損害賠償など、事故に付随する問題を解決するとき、弁護士のサポートがあるかないかで結果が大きく違ってくるはずです。現在、我々が置かれている交通事故に関する背景や実態を知るため、警察庁交通局が公表している「平成27年における交通事故の発生状況」を見て行きます。平成27年には全国で53万6,899件の交通事故(人身事故)が発生しており、前年比は36,943件の減少でした。しかし、死者数に関しては年間4,117人で、前年より0.1%増加していました。その背景には上昇する高齢化率が大きく影響していると思われます。
交通事故の発生件数自体は減少傾向にありますが、交通事故訴訟は増加しており、読売新聞の報道によると、平成15年に3,252件だった訴訟件数が平成25年には15,428件にまで増加していました。10年間で5倍!ということになります。
交通事故に関する問題を解決するために、交通事故センターに於ける無料法律相談を利用する人が増えていますが、その件数も訴訟件数と同様に増加しています。有料無料を合わせた法律相談の総件数は618,897件となっていますが、交通事故関係だけで48,396件という状況です。
法律に関わる問題ということで、刑法犯の実態も見て行きます。警視庁の統計データ「都道府県別刑法犯の検挙件数」(平成27年)を見ると、全国で最も刑法犯が多いのは、東京都で、件数は43,516件でした。次に多いのが神奈川県の26,416件です。検挙件数ワースト10位までは以下の表のとおりとなっており、ほとんどが人口数に比例するものですが、福岡県に関しては、人口数の順位を超えるもので、刑法犯が多い県と言えるのでしょう。
順位 | 都道府県名 | 人口順位 | 検挙件数 |
---|---|---|---|
1位 | 東京 | 1位 | 43516 |
2位 | 神奈川 | 2位 | 26416 |
3位 | 大阪 | 3位 | 23853 |
4位 | 愛知 | 4位 | 22299 |
5位 | 福岡 | 9位 | 19372 |
6位 | 埼玉 | 5位 | 19056 |
7位 | 千葉 | 6位 | 17799 |
8位 | 兵庫 | 7位 | 16039 |
9位 | 北海道 | 8位 | 12225 |
10位 | 静岡 | 10位 | 9709 |
刑法犯と一言で言っても色々な犯罪があります。その内容を警視庁のデータから見てみると、全国的に最も多いのは窃盗犯でした。窃盗犯にも、万引きなどの軽微なものや自動車盗など様々あるとは思いますが、いずれにしても他人の財産を盗むことは重大な犯罪です。また、窃盗犯として検挙された場合も、刑法で罰せられる刑罰のほかに民事の損害賠償が発生することを忘れてはいけません。
分類 | 全国総数 |
---|---|
凶悪犯 | 4,777 |
粗暴犯 | 49,968 |
窃盗犯 | 226,001 |
知能犯 | 20,742 |
風俗犯 | 7,125 |
その他の刑法犯 | 48,871 |
刑法犯総数 | 357,484 |
人生において弁護士の力を借りる時というのは、その人の人生を左右する大きな分岐点と言えるでしょう。誰に相談すればいいのか、どこに行けば相談できるのかなど、いざ行動に移そうと思っても迷ってしまう人が多いと思います。何かしら問題を抱えたら、気軽に相談できる弁護士さんがいるというのは、生活していくうえで大きな安心感になるでしょう。
「弁護士白書」から、司法サービスを提供する環境の充足度を示す指標として「人口1万人あたりの弁護士数」という統計を見ていきますと、各都道府県が置かれている司法環境の充実度がわかります。弁護士数が多くても、人口と対比させたときに数値が低くては充実した環境とは言えません。
ベスト5 | 都道府県 | 弁護士数(人) | 人口1万人あたりの弁護士数(人) |
---|---|---|---|
1位 | 東京 | 17565 | 13 |
2位 | 大阪 | 4333 | 4.9 |
3位 | 京都 | 731 | 2.8 |
4位 | 愛知 | 1857 | 2.48 |
5位 | 福岡 | 1189 | 2.33 |
ワースト5 | 都道府県 | 弁護士数(人) | 人口1万人あたりの弁護士数(人) |
---|---|---|---|
47位 | 秋田 | 78 | 0.76 |
46位 | 岩手 | 100 | 0.78 |
45位 | 山形 | 95 | 0.85 |
44位 | 青森 | 118 | 0.9 |
43位 | 岐阜 | 188 | 0.92 |
全国の弁護士・法律事務所に関する情報、我々が抱える法的トラブルの発生リスクについて見て来ました。日々、生活している以上、多重債務問題、離婚等の家庭における問題、交通事故、刑事事件、損害賠償など、様々な理由で法律に関わる問題を抱えるリスクがあるのです。他人事と思っていたことが、いつ自分を苦しめる問題になるかわかりません。
「弁護士白書」のデータから、我が国で行われている地方裁判所に於ける民事訴訟事件の件数を調べてみました。近年の民事訴訟事件数の変動には過払い金の返還に関する訴訟の影響が大きいと思われますが、平成27年には新規で143,816件の民事訴訟が行われていました。この年の既決は140,999件、未済は99,911件となっています。前年の新規件数は142,487件でしたから、増加傾向となっていることがわかります。弁護士数も増加傾向ではありますが、その充実度においては地域差が大きいと思われます。
人が法律に関わる問題で悩むときというのは、その人の人生を左右するような重要なタイミングと言えます。人生の一大事への対応を預ける以上、弁護士選びはもっとも重要なことです。弁護士は、司法試験に合格したという点では誰でも同じですが、弁護士としての実務能力は、各人のキャリアや考え方などによって、一人ひとりまったく異なります。通常、債務整理を多く扱っている弁護士が、離婚問題の解決にも強いとは限りません。それぞれが得意とする分野を知ることが大事なのです。
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