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インターネット風評被害とは?IT弁護士に相談できる対策を紹介!
この記事で分かること
- インターネット風評被害とは?
- インターネット風評被害が起こる理由
- インターネット風評被害の対処法
- 削除要請、仮処分の申し立て方法
- 風評被害とネットリテラシー
インターネット風評被害は、SNSや掲示板に悪意のある書き込みやデマを書き込まれ風評被害が起こること。インターネット風評被害を放置しておくと二次被害、三次被害などの犯罪行為が起こりやすくなる。ネットでのトラブルを避けるには、IT問題に強いIT弁護士への相談がおすすめ。
目次[非表示]
インターネット風評被害とは?IT弁護士に相談できる対策を紹介!
インターネット風評被害とは、ネット上で意のある書き込みや特定の人物を貶める情報が拡散され、信用毀損や名誉毀損を受けることです。
悲しいことですが、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS上や、爆サイ、5ちゃんねるなどの匿名掲示板において「悪質な書き込み」は毎日のように繰り返し行われています。
このほか、Yahoo!たGoogleなど「検索エンジン」に悪意のある情報が上位表示される被害や、風評被害に繋がる書き込みが、検索結果に上がってくるなどのトラブルも増えています。
SNSで起こる風評被害の例|TwitterやInstagramなど
例えば、SNSでも話題の飲食店が「過去に食中毒を出した」といったデマの情報を流され、客足が一気に途絶えてしまった場合「インターネット風評被害を受けた」ことになります。
また、就職活動中の学生が「以前、万引で捕まった」という嘘をネットの掲示板に書かれたとしましょう。この場合、今後の就職活動は難しくなりますし、学校や友人関係、住んでいる場所、バイト先、家族にまで悪い影響が出てしまいます。
一方、同じSNSでもFacebookは炎上しにくい特徴があります。Facebookは本名での登録が必要なため「匿名での書き込みが出来ない」という性質から、風評被害やデマによる被害、炎上などが起こりにくいのです。
ネットの噂はフェイクが多い
インターネットに書かれる事柄は、100%本当のことではありません。最近では画像加工の技術が進んでおり、フェイクの写真やツイート画像、動画などが素人でも簡単に作れてしまいます。
このため、SNSやネット上で過激な内容の書き込みやニュースが入ってきたとしても「真実かどうか」ご自身で見極めることが重要です。
インターネット風評被害が厄介なのは、恨みを持っている犯人ではなく、社会や個人を貶めたいという「愉快犯」が事を荒立てていることです。
自分の鬱憤を晴らすために、第三者を陥れようと掲示板やSNSに書き込みをしているケースも少なくありません。
インターネット風評被害のリスク
インターネットの風評被害は「犯罪と結びつく」リスクがあります。
例えば、新型コロナウイルスの自粛期間中には、「自粛狩り」や「自粛警察」と呼ばれる存在が掲示板やTwitterに現れ、特定の個人や商店を陥れるツイートや書き込み、商店に対して嫌がらせを行っていました。
ネット上に”自粛警察”出没 感染者の情報をさらし上げに
“新型コロナウイルスの緊急事態宣言が延長され、人々のストレスも限界を迎えているのか。ネット上では感染者の個人情報を暴露するなどつるし上げが横行、リアルでは他県ナンバーの車や営業を続ける飲食店に嫌がらせする「自粛警察」も出没している。正義感で“取り締まり”している人も多いとみられるだけに厄介だ。”
書き込みの中には、新型コロナウイルスに感染した人の職場や住んでいる場所、家族構成まで写真付きで書き込みをするという悪質なケースもありました。
こうした行為は、ストーカーや嫌がらせの手紙(脅迫状も含む)、いたずら電話、商店への投石や器物破損など、さらなる被害を生み出します。
インターネット風評被害が及ぼすリスク
- 個人、店舗、企業のイメージ低下
- 売り上げ低下
- 顧客離れ、取引先の新規顧客離れ
- 人材不足に陥る、離職率が高まる
- 株価の下落(企業)
どのような事情であれ、自身の「正義感」を理由に名誉毀損や個人情報を漏洩させるのは犯罪行為であり罪に問われます。
私たちも間違った正義感で、他人を陥れる行動をしていないか、発言やツイート、ネット上での発信内容に注意しましょう。
ネットの風評被害が起こる理由
ネットの風評被害は、以下の人たちによって発生します。
ネットでデマを流す人達
- 知り合い(友人、職場の同僚、近所の人)
- 面識のない第三者
- ①と②によって炎上している状況を楽しむ愉快犯
インターネット風評被害が起こりやすくなったのは2000年以降です。windows95が発売された後、ネットや回線の環境が整いはじめ、これまで以上に多くのユーザーがインターネットを使うようになりました。
そして、2008年以降はiPhoneやAndroidのスマートフォンが発売され、いまでは国民の約80%がスマートフォンを利用するようになりました(パソコンの普及率は72%)。
ネットを取り巻く環境はこの20年で大きく進化しました。しかし「問題」なのは、私たちがネットの進化に追いついていないことです。
SNS、ネット上でのマナーやリテラシーを学ばないまま、スマートフォンやPCを手にした人たちは「ネット上のルール」に疎く、善悪の判断ができずにネットを使っている状況です。
未成年者であればバイト先でイタズラをした様子を撮影し、ツイートから炎上を起こすケースが多々見られます。
また成人であっても、他人を撮影した画像を無断でネット上に掲載し、肖像権の侵害やプライバシー侵害などのトラブルを起こしています。
こうしたマナーの悪さによって、ネットの利用者がネット上で叩かれたり(=批判をされること)SNS上で「炎上」するケースも増えています。
私たちネットの利用者一人ひとりが、ネットリテラシーやネットマナーについて考える機会を持ちましょう。
2020年は炎上が起こりやすい
新型コロナウイルスによって、人々のストレスがピークに達しているのか、ネット上は平常時よりも「炎上」が起こりやすくなっています。
例)ネット炎上、ブログ炎上、Twitter炎上、コメント欄炎上など
ネット炎上が起こりやすいということは、ネットだけで無く人々の心が「殺伐としている」ことやピリピリしたムードの現れです。
このような状況では、風評被害も起こりやすいので、ネット上での投稿や発言には十分注意しましょう。
万が一、自身の個人情報がネット上で拡散されたり、悪意のある書き込み、風評被害を池田場合は、書き込みを削除してもらうなど、早急に対処する必要があります。
インターネット風評被害対策
インターネット上のトラブルにも、状況を悪化させない「対策」があります。
例えば、風評被害の原因となっている書き込みを削除したり、ブログやSNSアカウントの停止や削除、書き込みをした犯人をIPアドレス等から特定する作業です。
こうした作業は、専門の業者やIT弁護士に依頼をすれば、専門的に対策を講じてくれます。
インターネット風評被害対策の一例
- 掲示板、SNSの誹謗中傷を削除する
- 検索エンジンのネガティブキーワードを削除する
- 営業妨害の書き込みを削除する
- 発信者情報開示請求を行う
- 損害賠償請求、刑事告訴
IT弁護士とは、IT問題に強い弁護士のことです。IT弁護士に依頼をすれば上のような削除申請や開示請求、損害賠償請求を行ってくれます。
中にはネット炎上対策を行う業者も存在しますが、損害賠償請求や刑事告訴など、弁護士しか対応できません。
例えば、弁護士資格を持たない者が報酬を受けとり、法律業務を行った場合には非弁行為(ひべんこうい)として、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます。
非弁行為とは?
非弁行為(ひべんこうい)とは、弁護士以外の人が報酬を得る目的で、法律業務を行うことを禁じるており「弁護士法72条」に定められています。
弁護士法72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
なお、インターネット風評被害対策のほか、退職代行、交通事故の交渉事務なども、上の非弁行為に該当します。インターネット風評被害対策を依頼する場合には、必ず弁護士資格を持つ「IT弁護士」に相談をしてください。
インターネット風評被害の削除要請
インターネット風評被害の直接の原因であるブログやホームページ、SNS、匿名掲示板があれば、削除要請をしましょう。削除をせずに放っておくと、本記事冒頭で解説をした通り、二次被害や三次被害が起こりやすくなり大変危険です。
なお、削除要請は自分でも申請できますが、依頼をしたからといって全てが削除される訳ではありません。残念ながら多くのサイトは削除に応じることがなく、名誉毀損などの発言以外は要請に応じないケースが大半を占めます。
削除要請の方法
- WEBの問い合わせフォームから申請する
- IT弁護士に削除依頼をする
- サイト管理者、プロバイダに記事削除を請求する
- 裁判の手続きで削除を要請する(仮処分の申し立て、民事訴訟など)
- SEOによって削除をする(Google、Yahoo!などの検索エンジンなど)
①〜⑤の削除方法について、より詳しく解説します。
① WEBの問い合わせフォームから申請する
ブログやホームページにある「問い合わせフォーム」から削除依頼ができます。またサイトによっては、専用の削除依頼フォームを設けている場合があるので利用してください。
ただし、削除要請をしても要請に応じないまま、管理人が放置しているケースも多々あります。
また、個人の場合削除要請はできても、発信者情報開示請求はできません。
発信者情報開示請求を業者が代行した場合、非弁行為に当たるので「法的に無効」となる可能性もあり、大きな効果は期待できません。
② IT弁護士に削除依頼をする
IT弁護士に依頼をすれば、書き込み削除などの対策を進めてくれます。また、弁護士から要請があれば、サイト管理者に与えるインパクトが大きいのでしょうか。個人が申請するよりも、削除要請に応じる可能性は高くなります。
ただ、大型サイトや掲示板(5ch、爆サイなど)の場合手続きは難航します。大型サイトの場合、一日に複数の削除要請が来るので対応が追いつかないのでしょう。ガイドラインに則った請求や裁判などを起こさなければ、削除に応じない場合があります。
このため、削除要請をするサイトが個人運営なのか大手運営に関わらず、信頼できるIT弁護士に「削除対応」をお願いすればスピーディーに問題が解決できます。風評被害やデマでお困りの場合は、一日も早く問題が解決出来るようIT弁護士に相談しましょう。
③ サイト管理者、プロバイダに記事削除を請求する
一般社団法人テレコムサービス協会は、情報通信技術関連企業の大半が所属する団体であり(本団体が)作成したガイドラインに則り、送信防止措置依頼が申請できます。
一般社団法人テレコムサービス協会のホームページでも、送信防止措置依頼に関するガイドラインの案内、送信防止措置依頼に必要な書面をPDFで配布しています。
下の画像は、送信防止措置依頼に必要な申請書類の一部です。
申請用紙は、下のページからダウンロードできます(PDF方式)申請自体は簡単なので、記事削除を求める本人が申請しても構いません。
ただし、サイト管理者、プロバイダに記事削除を請求する場合は、法に則り手続きを進めるIT弁護士への相談がおすすめです。
参考資料:プロバイダ責任制限法 発信者情報開示関係ガイドライン(第5版)(一般社団法人テレコムサービス協会)
④ 裁判の手続きで削除を要請する(仮処分の申し立て、民事訴訟など)
ここまで紹介した①〜③の方法で、管理人やサイト運営者が削除に応じない場合、裁判手続きによって削除が請求できます。
例えば、裁判所を利用し、侵害情報の仮削除をサイト管理者に申し立てを行ったり、インターネット業者に発信者情報の開示について仮処分を申し立て、発信者を特定した上で侵害賠償を請求することも可能です。
裁判所において「削除や発信者情報開示請求」の主張が認められると、個々の申請では削除に応じなかった業者も、素直に削除や開示に応じるケースがほとんどです。
また、裁判所よって削除や開示請求が認められた場合、判決に従った手続きも行使され、削除や発信者情報開示は確実に行われます。
また削除や開示請求までのスピードですが、仮処分で申し立てが認められれば、権利侵害を受けた側の主張が正しいと判断され(通常の裁判よりも)問題は速やかに解決されます。
⑤ SEOによって削除をする(Yahoo!、Googleなどの検索エンジンなど)
インターネット風評被害は、Yahoo!、Googleなどの検索エンジン上にも現れます。もし、検索結果に悪意のある書き込みやサイトが見つかった場合には、逆SEOによって削除をしましょう。
逆SEOとは、検索エンジンにおいて関連するキーワード(風評被害やデマの情報)を表示されにくくする専門的作業です。
検索エンジン上の風評被害でお困りの方は、逆SEOに強い専門の業者やIT弁護士にも相談しましょう。
インターネット風評被害に知らずに加担するのもダメ!
新型コロナウイルスの感染が拡大した後、コロナ関連でさまざまなデマや嘘の情報が拡散されました。
例えば『お湯を飲めばコロナが死滅する』といったデマや『4月〇〇日にロックダウンが始まる』など、多くの方を混乱に陥れるツイートやリツイートが出回っています。
なお、風評被害などの情報真実の情報と捉えて(意図する、意図しないに関わらず)誤った情報を拡散するのは、業務妨害罪や名誉毀損罪などの罪に問われる可能性があります。
業務妨害罪 | 刑法第二編第三十五章「信用及び業務に対する罪」(第233条 – 第234条 – 第234条の2)に規定される犯罪のこと。 参考:第233条 – 第234条 – 第234条の2 |
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名誉毀損罪 | 日本の刑法230条に規定される犯罪。人の名誉を毀損する行為を内容とする。なお、刑法上の名誉毀損罪を構成する場合に民法上の名誉毀損として不法行為になることも多い。 参考:刑法230条 |
信用毀損罪 | 刑法第二編第三十五章「信用及び業務に対する罪」(第233条 – 第234条 – 第234条の2)に規定される犯罪のこと。 参考:刑法230条 |
新しい情報をキャッチしたとき「周りの人たちにも伝えたい」という気持ちは、理解できます。しかし、誤った情報をリツイートしたことで人々をパニックに陥れたり、医療現場が混乱に陥るなど…一歩間違えれば「人命の危機」にも関わる結果に繋がります。
「悪気は無かった」という言葉では済ませられない問題ですので、ニュースや情報をキャッチしたときには、以下のポイントを確認する必要があります。
- 発信者は誰か?
- 釣り投稿、デマの可能性は?
- 情報の信憑性(裏付けはできるか)は確かか?
善意のつもりが、加害者にならないよう情報の取り扱いには、十分注意しましょう。こうしたデマに流されないようにするには、一人取りが「情報リテラシー」について学び、情報の発信に責任感を持つことです。
参考資料:インターネットトラブル事例集 (平成29年度版) – 総務省
まとめ|インターネット風評被害はIT弁護士に相談しよう
インターネット風評被害の問題は、削除要請や仮処分の申し立て、逆SEO(Yahoo!、Google検索エンジンでの削除)など、個人での解決は難しいです。このため、ネット上での問題やトラブル解決は、IT問題に強い「IT弁護士」への相談がおすすめです。
IT弁護士であれば、IT業界の最近の判例やトラブル事例に詳しいため、風評被害やデマによる被害について速やかに対処し、炎上の被害を食い止めてくれます。
風評被害やデマでお困りの方は、ぜひIT弁護士に相談してみてください。