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多重債務者とは?多重債務になりやすいタイプと借金問題の解決法
この記事で分かること
- 多重債務者の自殺はたった3%
- 多重債務の苦しみから脱出するためには債務整理をすることが重要
- 債務整理は専門の弁護士に依頼するといち早く終えられる
気づいたら多重債務者になっていた。自分ではどうしようもないほどの借金を抱えてしまった。この苦しみから逃れるためには、死んでもいいかもしれない。今そう思っている方は、まずこの記事を読んでください。借金の苦しみから逃れるためには、債務整理に関する知識をつけて思い切って行動することが重要です。
多重債務者のうち死ぬ人はたった3%
平成29年(2017年)に自殺をした人は21,681人という数字が厚生労働省から発表されています。このうち、多重負債が原因で自殺したと考えられる人は何人でしょうか。
実はたった3%しかいません。借金の取り立て苦で自殺した人に特定してみてみれば、0.3%程度です。自殺の原因に重いも軽いもありませんが、借金を苦にして自殺する人は圧倒的に少数です。この理由は、借金問題は行動すれば誰でも解消することができるということが関わっていると考えられます。
何ヵ月間滞納していても、取り立てがきつくても、たとえ裁判所から呼び出しがあっても借金問題は解決することができます。
多重債務とは?
簡単に説明すると、「債権者」とはお金を貸している側、「債務者」はお金を借りている側のことをいいます。多重債務者とは、「多重」の意味の通り、2社以上の複数の会社からお金を借りている方のことをいいます。しかし多重債務者は、なぜ複数の会社からお金を借りてしまうのでしょうか?
多重債務の理由
多重債務の理由はいくつかありますが、代表的な理由は1社から借りられる金額の上限よりも多くのお金が必要になってしまったこと、1社から借りたお金を返済できず、また新たな会社からお金を借りてそれを返済にあてようとしたことなどがあります。
自転車操業
借金の返済を新たな借金で賄うといった、会社運営や生活の仕方を自転車操業状態といいます。多重債務の方で多いのが、この自転車操業状態に陥ってしまっている方です。このような状態にある限り、借金は一向に減りません。借金が増えていく一方なので、お金を借りる金融機関も1社、2社と増えていき、苦しい多重債務生活に陥ってしまいます。
詐欺や悪徳金融機関に騙される
借金苦に陥るとうまい話についていきやすくなります。詐欺師や悪徳金融機関は、○○をすればすぐに儲かる、50万投資をすれば100万になってかえってくるといったおいしい話を巧みに宣伝してきます。そのために貯金を崩し、借金をし、多重債務者になってしまうといったケースもあります。
保証人や身内の借金の肩代わり
たとえ自分が借金をしていなくても、第三者の保証人になってしまったことで急に借金が降りかかってくることもあります。もともとぎりぎりで生活していたのに急に借金ができてしまったことで、多重債務者になってしまうというケースも少なからず起こります。保証人になるのは、よっぽどのことでない限りやめたほうがよいでしょう。
多重債務の解消方法
多重債務の苦しみから逃れる単純な方法は、すでに自分の力だけではどうしようもなくなっていることを認め、誰かにお金の相談をすることです。
そこでまずは、家族や友人など身近な人に相談できないか考えてみましょう。もし家族に金銭的な余裕があれば、貸してくれるかもしれません。しかし、もしそれが不可能なようなら弁護士に相談して債務整理をしてもらうようにしましょう。おそらく最も現実的なのは、この債務整理の手続をとることでしょう。
債務整理とは?
債務整理とは、金融機関などと交渉をして借金を減額してもらったり、金利を減らしたりする手続のことをいいます。自分でもできますが、信用されていないことや専門的な知識が必要であることを考えると弁護士に依頼する方が現実的でしょう。
また、弁護士に依頼すると費用がかかるのではないかと思うかもしれませんが、苦しみが激減することや無理のない返済プランを提示してくれることなどを考えると、長期的には利益が大きいでしょう。債務整理には「任意整理」「個人再生」「特定調停」「自己破産」の4つの方法があります。これに関してみていきます。
任意整理とは?~その手続や流れ~
任意整理とは、裁判所を通さずに債権者(貸した側)と1社ずつ直接交渉する方法になります。任意整理によって、借金の減額、利息の免除、遅延損害金の免除などを行うことができますが、多重債務者の場合、自分で行うと1社ずつ交渉しなければならないため負担が大きいでしょう。
任意整理をするためには、一般的に3ヵ月〜6ヵ月かかるとされており、多くは専門の弁護士に依頼して行われることが多いようです。まずは弁護士に依頼し、それから利息や遅延損害金や過払い金の計算を行い、交渉するという流れになります。任意整理は、ほかの債務整理の方法に比べると比較的簡易なものとされています。
個人再生とは?~その手続や流れ~
個人再生とは、借金の20%を3年で分割すると残りが免除されるという制度です。ただし5000万円を超える場合は行うことはできない、また最低100万は返済しなければならないといった制限があります。手続は、裁判所を通して借金の返済に関する交渉を行う方法をとります。
一般的に、4ヵ月~6ヵ月の期間がかかるといわれています。個人再生を選択するのは、任意整理をしても返済が難しい方の場合が多いです。任意整理ではすべての債権者と和解する必要がありますが、個人再生では裁判所が認めればよいため、各債権者と和解する必要はありません。手続の過程では個人再生委員との面接が必要になります。
特定調停とは?~その手続や流れ~
特定調停は裁判官(と調停委員)が貸した側と借りた側の双方の意見を聞きながら和解の方法を導き出していくという方法です。だいたい3ヵ月〜6ヵ月間かかるとされています。まずは簡易裁判所に申立てることからはじめ、返済が苦しいことを示す明細などを提出します。
それから調停の日に出頭し手続を進めていくことになります。もし調停が失敗した場合はその他の債務整理の方法を一からやり直すことになります。特別調停をどうしたら成功させられるか、そもそも特別調停でいいのかなどについては、専門の弁護士に連絡をとり相談することをおすすめします。
自己破産とは?~その手続や流れ~
自己破産とは、一般に借金の総額が5000万円以上で返済能力がない人のための債務整理の方法だとされています。だいたい3ヵ月~1年かかるとされます。
換金価値のある資産がない場合には自己破産した時点で手続が終了する同時廃止事件となり、資産ある場合には管財人が関与して資産の整理をする管財事件となりますが、自己破産を申請する時点で資産を有している人は少なく、約90%の人が同時廃止事件となるようです。
手続は裁判所へ破産手続の申立てをすることからはじまりますが、なるべく早く手続を済ますためには弁護士に相談したほうがよいでしょう。
多重債務者が債務整理をするメリット
債務整理を弁護士に依頼することのメリットを紹介します。債務整理は自分でもできますが、専門的な知識や時間が必要なため、専門の弁護士に依頼することを強くおすすめします。自分でやった場合は、苦しみから逃れる時間がもっと先になることでしょう。
金融機関から信頼を得られ、適切な方法で借金を整理してくれる
一般に債務整理を行わなければならない段階で、個人の信用はなくなっています。もし弁護士に債務整理を依頼しなかった場合には、相手に信用されないまま手続をしなければならず、様々な交渉事や調停がうまくいなくなるでしょう。誰もがやさしく手助けしてくれるわけではありません。
しかし、弁護士に依頼すると、専門家が介入しているということでまわりの見る目も変わり、手続をスムーズに行うことができます。また、適切な債務整理の方法を教えてくれ、書類の代行や過払い金の調査なども行ってくれます。
貸金業者からの督促がストップし、苦しみから早く逃れることができる
債務整理は自分で行うことも確かにできるのですが、その間取り立てに悩まされ続けることになります。しかし、弁護士に依頼し債務整理を本当に行っていることが客観的に明らかになれば、借金の督促がストップし、平和な日常を早く取り戻すこともできます。
これ以上取り立てに悩みたくないという方は、いち早く専門の弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
多重債務者からの脱出!債務整理は弁護士に相談!
多重債務の苦しみは、当事者にしかわかりません。しかし、多くの事例を知っている専門の弁護士に依頼すると、借金をなくした前向きな事例などが知れ、未来が明るくなるでしょう。
多重債務の理由は多数ありますが、どのような理由でも債務整理をすることで苦しみから早く逃れることができます。債務整理を成功させ、いち早く多重債務の苦しみから脱出するためには、弁護士に相談してみましょう。
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