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代位弁済とは?代位弁済に至る流れや対処法をわかりやすく解説
この記事で分かること
- 代位弁済とは、保証会社や友人などの第三者が借金を代理で返済すること
- 代位弁済通知が来ると、借金を一括で返済しなければならなくなる
- 代位弁済は専門の弁護士に対応を依頼することが重要
代位弁済とは、借金した人に代わって第三者が返済する第三者弁済のひとつですが、一般的な第三者弁済と異なり、本来借金をしていた方に肩代わりした借金の金額を法的に請求することができます。これは代位弁済が、利害関係のある者の「代位」(=代理)であることが正当に認められるためです。今回はあまり耳慣れない「代位弁済」について、そして「代位弁済通知」が来た場合の対処について説明します。
代位弁済とは?
代位弁済(だいいべんさい)を簡単にいえば、借金を借りている人(債務者)の代わりに、保証会社などの第三者が借金を代理で返済することをいいます。
この場合、「代位」とは代理と同様の意味であり、「弁済」は借金を返すことを指します。一般に金融機関から借金をする際には保証会社を通しますが、「代位弁済通知」が届いたということはこの保証会社が滞納した借金を代わりに支払ったということを意味しています。
「なんだ、じゃあもう借金はなくなったのだ」と考えたくなりますが、決してうまい話が転がり込んできたというわけではありません。「代位弁済通知」が届いた場合は、大体借金の一括返済をこの保証会社から請求されることになります。
代位弁済はなぜ起きるのか~保証会社による借金返済と求償権の譲渡~
借金をする際に必要となる保証会社は「借金をした人に返済を請求する権利」を金融会社から譲り受けるという形で代位弁済に踏み切ります。
この肩代わりした借金を、元々借金をしていた人に返済してもらうよう請求する権利を「求償権」といいますが、借金を一定期間(大体3カ月以上)滞納すると、保証会社が借金を肩代わりする必要が出てきます。
そこで保証会社がこの「求償権」を有するようになるのです。一言でいえば、代理で借金を返済したから私に返済してくださいということを伝えるのが「代位弁済通知」になります。
代位弁済通知がくると何が起きるのか~代位弁済のリスク~
「代位弁済通知」が来るとどうなるのでしょうか。「ただ借金を返済する相手が変わっただけじゃないの?」と思うかもしれませんが、決してそれだけではありません。「代位弁済通知」が来るということは、次のことを意味しています。
- 借金の一括返済を請求される
- 財産が差し押さえられる可能性がある
- 住宅が競売にかけられる可能性がある
借金の一括返済を請求される
おそらく借金を滞納している方にとって一番怖いのは、債権者から突然一括返済を求められることでしょう。「分割でも払えないのに、一括でなんか払えるわけないよ!」と思う方がほとんどではないでしょうか。
しかし、代位弁済がされたということは、保証会社に一括で借金を返済しなければならないということを意味します。「分割にできないの?」と思う方がほとんどでしょうが、分割支払は信用で成り立っている側面があるため、一度分割払いを滞納してしまった方に再び分割で支払うことを許可する保証会社はほとんどありません。
財産が差し押さえられる可能性がある
もし一括で支払うことが不可能となった場合には、財産の差し押さえ手続がとられます。つまり、借金分の財産を取り上げて、返済してもらうということが行われるのです。
差し押さえの対象となるのは、給与の手取りの4分の1に加え、現金や銀行預金、クルマ・不動産など換金価値のあるものです。差し押さえには裁判所への申立てが必要なため、差し押さえが決まれば裁判所から勤務先へと通知がいくことになっています。そうなると会社での地位や信用を失うことにもなりかねません。
住宅が競売にかけられる可能性がある
借金やローンを組む際に自宅を担保に入れていた場合には、自宅が競売にかけられる可能性もあります。先ほど説明した「求償権」を有する保証会社は、裁判を介して有無を言わさず競売にかける権利を有しています。
もし自宅が競売にかけられた場合には、すでに自分の家ではなくなっているため買主から家から追い出されることになり、それでも居座った場合には、不法入居者扱いされ、強制退去させられることもあります。また、競売物件は落札者が一括で購入金額を支払わなければならないなどの制約があるため、通常売却した場合の7割~5割の金額になることが多いといわれています。
引っ越し費用も出るわけではないし、自宅を安く売られてしまうので、踏んだり蹴ったりという形になるでしょう。さらに、それでも借金が残った場合は、その残りをやはり一括で支払わなければなりません。
その他のデメリット
上記に加え、代位弁済には次のデメリットがあります。まずは一括で返済しなければならない額には遅延損害金も含まれてしまうということ。
二つ目は、いわゆるブラックリストに載ってしまうことです。代位弁済が行われた時点でブラックリストに登録されるので、リストから削除されるまでは借金をしたりローンを組んだりすることができなくなります。
代位弁済までの流れと対処法
代位弁済の対処法としては、まず代位弁済にまで行きつかないための対処法と、代位弁済になってしまってからの対処法の2つがあります。前者は代位弁済の前兆に気づいて手を打つこと、後者は主に弁護士に依頼して債務整理などを行ってもらうことです。
代位弁済の前兆
通常、代位弁済通知が来るまでにもいくつかの通知が来ます。ローン会社からの「督促状」や、「期限の利益の喪失予告通知」などです。「期限の利益の喪失予告通知」とは、早く返済しなければ借金やローンを分割返済できる権利(=期限の利益)がなくなってしまうことの予告通知になります。予告通知の後には喪失したという通知が来ます。
実際の「期限の利益の喪失通知」が来た場合にも一括返済が請求されますが、これを無視すると「代位弁済通知」が届きます。この流れをみても、「代位弁済通知」が借金返済の最終告知ということがよくわかるでしょう。代位弁済を回避するためには遅くともこの「期限の利益の喪失通知」までに借金を一部ないしは全額返済しておく必要があります。
代位弁済後の対処法
代位弁済後の対処法は、個人でもできるものがありますが、知識や時間が必要になりますので、専門の弁護士に依頼することをおすすめします。具体的には、住宅の任意売却や債務整理を行います。
住宅の任意売却~住宅ローンが滞ってしまった場合~
任意売却とは、つまり自分の意志で売却するということを意味します。借金の返済をするために、自分で自分の住宅を売主として売却することによって、それらを市場価格で販売することができるため、競売の時よりも高い金額を得ることができます。
しかし、この任意売却をするためには、ローンが滞納されていることや、売却後にローンを全額返済できることを条件に、ローン会社の許可を得ておく必要があります。任意売却の場合は、買手を売手が決めることもできますので、親戚や親に買ってもらい、それから賃貸などをして同じ家に住み続けるということも可能です。また官報公告されないので、周りに知られにくいという利点があります。
債務整理
債務整理とは、裁判などを起こして一括返済を分割返済にしてもらうとか、個人再生を申し出て借金を減額してもらったり、自己破産したりすることをいいます。
これによって返済できなくなった借金を減額してもらったり、ゼロにしたりしてもらうことができますが、社会的信用という観点からは最後の手段として捉えておくのがいいでしょう。いずれにせよ、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼するメリット
最後に、弁護士に依頼することのメリットを紹介します。特にお金の管理に自身がない方は、専門の弁護士に依頼することをおすすめします。
悪質な不動産業者からの被害を防ぐ
任意売却を進めていると、住宅の販売は高額な金額になることもあるため、それを利用して儲けようとする悪質な不動産業者がやってくることもあります。お金に困っている人は「儲かる」という言葉に弱く、悪質な詐欺に騙されてしまうといったこともしばしばです。弁護士に依頼すれば、このような悪質な業者から身を守ることができます。
任意売却をスムーズに行える
上で述べたように、住宅の任意売却には住宅ローン会社の許可が必要です。弁護士に依頼すると、その後の債務整理などを行ってくれることが担保されるために、この住宅ローン会社の信頼を得やすくなります。
一度に借金問題を解決することができる
弁護士に相談しておけば、上記の住宅ローン会社との交渉やその後の債務整理などを一度に行ってくれるため、比較的スムーズに借金問題を解決することができます。
代位弁済通知が来たら、弁護士に相談!
代位弁済とは、保証会社などの第三者が自分の借金を肩代わりしたということを意味します。しかし、それで借金がなくなったわけではありません。大体は代位弁済を行った保証会社に対し、一括で借金を返済しなければならなくなります。
もし一括で借金を返済できない場合は、弁護士に相談することが重要です。代位弁済の場合は、弁護士に相談しないと不利益が多くなります。これを機会に新たな人生に踏み出すためには、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
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