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クレジットカードを不正利用された!まず取るべき対処法は
この記事で分かること
- クレジットカードの情報をしっかり管理することが不正利用防止につながる
- 不正利用されたことに気づいた場合は、カード会社と警察に連絡
- 不当な請求をされたと感じた時は、弁護士に相談するとよい
クレジットカードとは、その名の通り信用の上で成り立っているカードのことです。インターネットショッピングの増加に伴って、多くの方がクレジットカードを利用するようになりました。クレジットカードは基本的に、セキュリティコード、暗証番号、署名といった所有者しか知らない情報によって、他者の使用に制限がかけられているのですが、その制限を超えて使用される場合があります。このことについて、見てみましょう。
クレジットカードの不正利用とは?
先に述べたように、クレジットカードはセキュリティコード、暗証番号、署名といった所有者しか知らない情報によって、他者の使用が制限されています。しかし、この情報を不正に取得し、他者に利用されることがあります。これを一般に、クレジットカードの不正利用と呼んでいます。
不正利用されてしまう原因
不正利用されてしまう原因は、基本的に情報の漏洩ということになります。これには、盗まれたり、店側の情報管理の不足といった原因がありますが、それだけではなく、財布を落としたり、写真に写りこんでしまったりと所有者の管理不足が原因となっている場合があります。クレジットカードの利用規約によっては、所有者に原因がある不正利用の場合は対応してもらえないこともあります。以下にも見るように、通常クレジットカードには盗難保険がかけられていますが、この利用規約に違反している場合には、この保険が適用されない場合もあります。
不正利用の種類
現在では、クレジットカードの情報を不正に取得する方法が多様化しています。カード情報の不正利用から自分の身を守るためには、不正取得の手口を理解し、関わらないよう心掛けることが求められます。一般的な手口としては、次のようなものがあります。
- フィッシング詐欺
- ネットショッピング詐欺
- スキミング
- 悪質な出会い系サイド
- ネットショッピングサイトへのサイバー攻撃
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺を英語で言うとphishingですが、これは「魚釣り」のfishingと「洗練された」を意味するsophisticatedから作られた造語であると言われています。つまり、フィッシング詐欺とは「洗練された釣り」と言うことを意味していますが、どういった釣りかというと、おいしい情報や興味深い情報をエサにして、カードの情報を取得するという方法になっています。たとえば、「おめでとうございます!1億円が当選しました」「カードの有効期限が迫っています」といった文面のメールが送られてきて、それにアクセスさせるといた手口が一般的です。
ネットショッピング詐欺
ネットショッピング詐欺とは、架空のネットショップのサイトを立ち上げ、偽の商品を購入させるといった手口を指します。カード情報を入力し、決済完了しても商品が届かないといったことや、サイト自体が消えてしまったということが起こり得ます。たとえば、あり得ないような安値で売っているサイトがあったり、おかしな日本語が使用されているといった場合には、注意が必要です。なかには、有名サイトとそっくりな偽サイトを作り、カード番号を入力させるといったものもあります。
スキミング
上のものは、ネット上の被害が主なものになりますが、スキミングはカード自体からカード情報を抜き取るといった手口で行います。たとえば、買い物やATMでカードを利用する際に、「スキマー」と呼ばれる機械を利用して、情報をスキャンされてしまうといったことが起こり得ます。防ぐのはなかなか難しいですが、ATMのカード挿入口に違和感がないか、安心できるお店か、怪しい行動をしていないか、といった点に気を配ることで、予防することができます。
悪質な出会い系サイド
注意が必要であるのは、出会い系サイトでクレジットカードを利用したとしても、クレジットカードの情報を不正に取得されるという可能性は低いということです。これは、クレジットカードの利用は、カード会社を仲介して行われるため、出会い系サイトの運営者自体がカードの情報を知ることができる環境にいないためです。しかし、こういったサイトのなかには、カード情報を引き抜くことを目的としたフィッシングサイトも多いため、こういったサイトでカード情報を入力することには注意が必要です。
ネットショッピングサイトへのサイバー攻撃
これは所謂企業側の問題で情報が漏洩してしまう場合です。通常どのネットショッピングサイトでもセキュリティに気を配っていますが、サイバー攻撃をしかける専門家集団が、そのセキュリティを潜り抜け、不正に個人情報を取得することが起こり得ます。個人ではどうにも解決することが難しいため、カード会社や警察、弁護士に連絡等を行い、対処してもらう必要があります。
クレジットカードの不正利用が起こった時の予備知識
クレジットカードの不正利用は、見知らぬ請求があったことで発覚することが多いです。カードを紛失した場合などは、カードの使用履歴を注意して見ることもあるかもしれませんが、普段はあまり見ないという人もいるかもしれません。より早く不正利用に気づき、被害を最小に抑えるためには、使用履歴をこまめにチェックしたり、決済通知サービスの利用などをするとよいでしょう。
不正利用に気づいた時にすべきこと
不正利用に気づいた時には、まずカード会社に連絡をし、利用を停止することが重要です。その後、警察に被害届を出し、その時に発行される受付番号をカード会社に知らせます。そうすると再発行の手続きを行ってくれますので、カード会社にしたがって行動すれば大丈夫です。ポイントとしては、なるべく早くカード会社に連絡し利用停止の手続きを行うことです。利用停止をすることで、さらなる不正利用を防ぐことができます。
カード会社の盗難保険
通常、クレジットカードには盗難保険がかけられています。詳しくはカードを契約した時にもらえる約款に書いてあると思いますが、盗難保険には不正発覚から一定期間内のものしか保証されないといった旨や、条件によっては保険の対象にならないといった旨が書いてあります。たとえば、自らネットでカードの暗証番号を公開したり、身内が犯人であった場合などは、保険の対象とされないことが多いです。その他、警察に被害届を出していない場合や、カードに署名していない場合、わかりやすい暗証番号を用いていた場合や、他人にカードを渡していたなどの場合に、補償の対象とはならない場合があります。カード会社によって書かれていることが異なりますので、詳しくは約款を確認してみることを推奨します。
カードの種類によっては、不正利用しにくいものがある
クレジットカードのなかには、不正利用の対策がなされているものもあります。たとえば決済情報が利用の都度送られてくるものや、スキミング防止のICチップが搭載されているものがあります。利用明細に購入履歴が反映されるのは、購入したお店やサイトによることが多く、不正利用が発覚しにくいケースもあります。利用の都度連絡がくるものは、こういった問題に対する対策にもなり、不正利用の被害を防ぎやすくなります。
クレジットカード不正利用で弁護士が必要になるケース
不正利用が発覚し、そのまま盗難保険が適応されて全額補償されるといった場合にはあまり問題が起きませんが、なかには、カード会社と所有者の間で、食い違いや見解の違いから争いが起きることがあります。こういった場合には、弁護士に相談が来て、解決を依頼されることが多いです。どのようなケースがあるのか、見てみましょう。
不正利用された分にも、請求が行われるケース
ぼったくりバーで会計する際に、100万円だと言われたので、一度カードを渡したがサインをしないでカードを回収し、その場で5万円を支払って帰ったが、後にカード会社からバーの料金78万円を訴求されたというケースがあります。そもそもカードを利用していないというのが、カード名義人の主張でしたが、いち早く消費者センターや弁護士に相談し、適切な対応を行っていたことが功を奏し、支払いの義務を否定されました(平成27年8月10日 東京地裁)。
他者によるカード使用
友人にパソコン購入のためにクレジットカードを貸したところ、カードを返還するまでの1週間ほどの間に、クラブやホテル等を含め計19回、94万円ほど無断利用されてしまったというケースがあります。このケースでは、友人がサインを偽造していたり、約定以上の金額の利用をカード会社が行っていたこともあり、裁判の結果、請求が2分の1になりました(平成12年8月29日 名古屋地裁)。
クレジットカードの不正利用で困ったら弁護士に相談
クレジットカードの不正利用は、ネットショッピングの増加や、現金支払いの機械が減るにつれて多くなっていくと予測することができます。カード会社でも対策を行っているところが多いですが、問題はつきません。個人が予防するためには、不正利用の手口を理解し、危険がある使用はしないことが重要ですが、もし問題が起きてしまった場合は、カード会社に連絡し、警察に被害届を出すとともに、弁護士に相談することをおすすめします。
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