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離婚を決意したきっかけは?

この記事で分かること

  • 離婚を決意したきっかけは人それぞれ
  • きっかけによっては離婚後慰謝料を請求できる
  • 離婚した後の経済状況や子供への影響をしっかり考える

夫婦で生活を共にする中で、「離婚したい」と思う瞬間は急に訪れることもあれば、小さな不満が積り積もってもう我慢できない、という状況に追い込まれる場合もあります。いずれにせよ、離婚は人生の一大事です。今回は、離婚という重大な決断をしたきっかけと、その後の生活をどうすべきかということをご紹介していきます。

離婚を決意したきっかけ

漠然と離婚したいと考えている方や、夫婦喧嘩のなどで衝動的に離婚したいと考える方は非常に多いです。

もしかしたら、そういった瞬間がこれまでに1度もなかったというご夫婦の方が珍しいかもしれません。離婚が頭をよぎったとしても多くの夫婦が離婚に進まないのは、婚姻関係を続けるメリットの方が離婚するメリットよりも大きいと判断しているからです。

しかし、何かのきっかけでその均衡が崩れて気持ちが離婚に一気に傾いてしまうことがあります。離婚の引き金となるきっかけには、いったい何があるでしょうか。

性格の不一致

離婚理由の中で一番多いのが、性格の不一致です。結婚して生活を共にすると、恋人として付き合っていた頃には見えなかった価値観の違いなどが浮き彫りになり、ときと共にそれが蓄積して次第に堪えがたいほどのストレスをかかえるようになり、やがて離婚に至ります。

夫婦二人のときにはお互いの不満な点に目を瞑ってなんとか夫婦関係を続けていた場合にも、子供ができてその教育方針の決定的な違いなどに耐えきれず離婚を決意することもあります。

浮気の発覚

配偶者の浮気が発覚して、離婚を決意するケースも非常に多いです。自分以外の異性と関係を持った相手と同じ屋根の下で婚姻生活を継続することは、多大な精神的苦痛を伴います。性格の不一致の場合はどちらが悪いとは一概に言えませんが、この場合は浮気をした側に明らかに非があります。

また、浮気というと男性に多いイメージを抱きがちですが、最近は女性も社会進出に伴って出会いの機会が増え、妻の浮気が原因で離婚に至るケースも少なくはありません。

家庭内暴力(DV)

結婚後、夫が豹変して家庭内で暴力を振るうようになるというのは、残念ながらよくあるケースです。職場のストレスなど日々の鬱憤を暴力を振るうことで解消するケースや、普段は穏やかなのにお酒を飲むと豹変して暴力を振るうケースなど、さまざまなパターンがあります。

女性が加害者となる場合もありますが、男性は自分より力で劣る女性に暴力を振るわれていることを恥ずかしく思い、女性よりも家庭内暴力の事実を隠蔽しようとする傾向にあります。

いずれにせよ、暴力は暴行、傷害などの犯罪行為に当たります。家庭内暴力は、放置しているとどんどん悪化してしまいます。情に流されて離婚できないという夫婦も多いですが、離婚して別の人生を歩むべきでしょう。

精神的な暴力

殴る、蹴るなどの暴力を振るうわけではなくても、言葉や態度で相手を傷つけることも立派な離婚のきっかけになります。「そんなこともできないのか」「だからお前はダメなんだ」等の相手の人間性を全否定するような言葉を浴びせたり、人前でバカにするような態度をとったりすることなどが該当します。

日常的に精神的な苦痛を与えられる生活を長く続けることができないのは当然ですので、これも離婚を決意するきっかけとなります。

金銭的なトラブル

夫が十分な生活費を渡さなかったり、妻が生活費を使い込んだりといった金銭的なトラブルも離婚のきっかけとなります。また、パチンコや競馬などのギャンブルにハマってしまい、知らぬ間に多額の借金を作っていたことが発覚した場合なども、離婚のきっかけになるでしょう。

夫婦は互いに協力して生活を保持する義務があります。どちらか一方のお金の使い込みや扶養義務の放棄は決してあってはなりません。

ワンポイントアドバイス
一度は一緒に添い遂げることを誓った二人ですが、生活を共にしていく中でどうしても我慢できない点が見えてくることは珍しいことではありません。離婚にはネガティブなイメージが付きまといますが、結婚生活に楽しみがなく苦痛ばかりならば、果たしてそれを今後の人生ずっと続けることができるのか、一度見つめ直してみると良いでしょう。

離婚を決意したら離婚までの流れを把握

離婚を決意したら、まず離婚に至る具体的な流れを知っておくことも大切です。子供がいる場合には、子供への心理的・社会的影響をできるだけ少なくするためにも、離婚までの流れややるべきこと、そして離婚後の生活を具体的に考えておきましょう。

そもそも離婚できる?

そもそも、スムーズに離婚できるかどうかというのが最初に立ちはだかる大きな壁です。話し合いで解決できればいいのですが、そうでない場合には離婚調停や最悪の場合裁判に進むことになります。

またその際、あなたが離婚を切り出した際、配偶者の同意を得られなかったとしても、法的に離婚が認められる場合があります。それが、法定離婚事由がある場合です。日本の離婚方法の9割は、夫婦の話し合いのみで離婚する協議離婚だと言われていますが、協議離婚が成立しない場合には調停離婚、そして調停離婚でも解決しない場合は裁判離婚へと進んでいきます。

裁判離婚にまで進んでしまった場合に、離婚成立の可否をわけるのが、法定離婚事由の有無です。

法定離婚事由とは

法定離婚事由には、下記の5つが該当します。

不貞行為

配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを指します。一般には「不倫」、「浮気」などと呼ばれる行為です。

悪意の遺棄

夫婦の義務を放棄することです。たとえば、配偶者に生活費を渡さない、健康に問題がないのに働かない、家出を日常的に行うなどの行為が該当します。

配偶者の生死が3年以上不明

配偶者の生死が3年以上不明で、現在もその状態が続いている場合が該当します。

配偶者が強度の精神病患者で回復の見込みがない

配偶者が強度の精神病患者である場合には、婚姻生活の相互協力や扶助といった義務が果たせないため、離婚請求が可能です。

その他婚姻を継続しがたい重大な理由

この項目は抽象的な原因として離婚事由として認定されるもので、それぞれの夫婦の状況によって判断されます。

話し合いでの解決が難しい場合は

基本的には夫婦二人の話し合いでの解決を目指すべきですが、それが難しい場合もあります。その場合には、離婚調停や裁判に進むことになります。

離婚調停

離婚調停は、離婚したい側が結論として離婚することを目的に開き、慰謝料や財産分与、親権、養育費などを決定します。調停委員という第三者を間に挟んでお互いに話し合いをするため、あなたの主張を冷静に話して調停委員の理解を得ましょう。

裁判

離婚調停が不成立に終わってしまった場合には、もう残る道は裁判しかありません。しかし離婚裁判は調停以上に準備や対応が大変なものですので、実際に裁判へ進むかそうでないかを迷われる方も多いです。

また、裁判で離婚を認められるためには、法的離婚事由が認められる必要がありますので、それらに該当しない場合にはそもそも訴えを提起することができないことも覚えておきましょう。

ワンポイントアドバイス
離婚調停や裁判はあくまでも最終手段として考え、基本的には夫婦の話し合いで解決するように努力することが大切です。法定離婚事由がある場合には、その証拠をきっちりと抑えることも有利な条件での離婚に向けて必要な準備です。

離婚を決意したら離婚後の生活について考える

離婚するとそれまでの生活が一変してしまいます。特に子供がいる場合には、ひとり親での子育てになりますので、経済的にも精神的にも負担が大きくなるということは覚悟しておきましょう。

経済的な問題

離婚すると、真っ先に問題になるのがお金の問題。特に、専業主婦や収入の大部分を配偶者に頼っている人の場合は、お金の問題がネックになって離婚を切り出せないという人も多いのではないでしょうか。

先々のことを考えると自分ひとりで生計を立てていく手段を考える必要はもちろんありますが、それとは別に離婚に伴って配偶者からもらえるお金をきっちりもらっておくことも、当面の生活を維持する上では欠かせない重要なことです。

相手からもらえる可能性のある金

夫婦は、離婚する際に婚姻生活中に協力して築き上げてきた財産を分配することができます。原則としては平等に2分の1ずつもらえることになりますので漏れがないよう、共有財産をリストアップしておおよその額を把握しておくことが大切です。

他にも、離婚に向けた別居生活を始めた場合、収入の多い方(多くの場合は夫)が収入の少ない、もしくはない方(多くの場合は妻)に対して衣食住にかかる費用や医療費、子供の養育にかかる費用などのいわゆる生活費を支払う義務があります。これは婚姻費用と呼ばれるもので、きっちり請求しましょう。

他にも、相手に離婚原因がある場合には慰謝料が請求できますので、できるだけ多く受け取れるように事前にきっちりと証拠をつかんでおくことが重要です。

経済的な自立

特に専業主婦の方や主たる収入を相手に頼っていた方は、離婚した後の経済的な見通しをしっかりと立てておく必要があります。

離婚後の生活の基盤を作る上で、安定した収入の確保は欠かせません。離婚を切り出す前から就職や転職に向けた準備を始め、離婚後どの程度自分が稼げそうか目処を立てておくことは大切です。

家族や周囲の理解を得る

特に子供がいる場合には、片親になってしまうと子育ての負担が増すので周囲の協力が不可欠になります。そのため、離婚を決意したら自分の味方になってくれそうな人に理解と協力を求めることで、離婚後の生活が楽になるでしょう。

中でも両親など親戚は、子育てや離婚後の生活の支えとして最も期待できます。親戚の理解を得られれば、離婚後経済的に苦しい場合には、一時的に実家に身を寄せたり、働く時間を増やした場合に子供の面倒を見てもらったりでき協力を仰ぐことができるでしょう。

子供へのケア

子供がいる場合、離婚の際に最も大切なことは子供への精神的・社会的影響を最小限に止めることです。

相手に子どもがよく懐いていた場合には、普段なかなか会えなくなる状況はとてもつらいものですし、そうでなかったとしても、慣れ親しんだ名字が変わってしまったり、転居や転校を余儀なくされたりと、離婚による負担は子どもに大きくのしかかります。そのため、可能であれば実家や周囲の理解を得て、できるだけ子どもの負担を取り除くサポートをお願いすると良いでしょう。

また、離婚後の生活は、慣れない仕事や家事に追われて余裕のない生活になってしまいがちです。しかし、余裕がないのはあなただけではありません。時には子どもとの時間をたっぷりとって、子どもの不安な気持ちにしっかりと寄り添ってあげることが大切です。

ワンポイントアドバイス
離婚による生活環境の変化は、子供にとって非常に大きな負担になります。実家や周囲に離婚前から根回しをしておいて、子供の負担を少しでも減らせるように準備しておくことが大切です。

離婚を決意したら、まずは弁護士に相談!

離婚を決意するきっかけや、離婚の際にもらえるお金の種類や額など離婚を巡る状況は、人それぞれです。

本やインターネットで離婚について調べてみても、「自分の場合はどうなるのか」については結局よくわからないということも多いのではないでしょうか。そんな場合は、一度法律の専門家である弁護士に相談してみると良いでしょう。

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